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こんにちは。DIY工具ノート編集部、運営者の「エイジ」です。
電工ペンチを初めて手にすると、刃や穴、ギザギザした圧着部がいくつも並んでいて、「結局どこを使えばいいんだろう」と感じやすい工具です。
見た目はペンチに近いのに、普通のペンチと同じ感覚で握ればよいわけではありません。
私も仕事で工具を日常的に扱ってきましたが、電工ペンチは1本で何でもする万能工具というより、切る・むく・かしめる作業ごとに正しい部分を使い分ける工具と考えるのが一番分かりやすいと思っています。
配線コードを切るなら切断部、被覆をむくなら電線サイズに合ったストリッパー部、端子を取り付けるなら端子と電線に対応した圧着部を使います。
ここを間違えると、芯線を傷つけたり、端子が抜けやすくなったりする原因になります。
作業内容を確認する → 使う部分を選ぶ → サイズを合わせる → 作業後の状態を確認する。この順番を覚えておけば、電工ペンチはぐっと扱いやすくなりますよ。
☑ 記事のポイント
- 1電工ペンチの各部分と役割
- 2配線を切る・被覆をむく基本手順
- 3ギボシ端子などをかしめる考え方
- 4失敗を防ぐサイズ選びと安全上の注意

電工ペンチの使い方と基本機能
まず押さえたいのは、電工ペンチの形は製品ごとに少し違うということです。
切断部、ワイヤーストリッパー、端子用の圧着部、ボルトカッターなどを備える製品がありますが、すべての電工ペンチが同じ並びや同じ対応サイズではありません。
エーモンの電工ペンチ3500も、コードやボルトの切断、コードの被覆取り、差込端子・圧着端子・裸端子の圧着に対応する多機能工具として案内されています。
つまり、「電工ペンチ」という名前だけで使う場所を決めず、工具本体の刻印や表示を見てから使うことが大切です。(出典:エーモン「電工ペンチ 3500」)
電工ペンチでできること
一般的な電工ペンチで中心になる作業は、配線コードを切る、被覆をむく、端子をかしめる・圧着するという3つです。
この3作業をひと続きで行えるため、自動車やバイク、低電圧の電装品などで端子付き配線を作る場面では便利なんですよ。

| 作業 | 使う部分 | 特に確認すること |
|---|---|---|
| 配線コードを切る | 切断部 | 工具の切断能力と対象の材質 |
| 被覆をむく | ストリッパー部 | 電線の太さと表示サイズ |
| 端子をかしめる | 圧着部 | 端子・電線・工具の対応サイズ |
製品によっては、さらに小ねじやボルトを切る穴、絶縁端子用、裸端子用、オープンバレル端子用など複数の圧着位置があります。
便利ではありますが、機能が多いほど「空いている場所ならどこでも使える」という考え方は危険です。
電工ペンチの基本は場所とサイズの一致。何をしたいのかを先に決め、その作業に対応する部分を選びます。形が似た穴が並んでいても、役割が同じとは限りません。
各部の役割を先に確認
作業を始める前に、手元の電工ペンチを一度じっくり見てみてください。

ストリッパー部の横には「0.5」「1.25」「2.0」などの数字が刻まれていたり、圧着部には対応する端子サイズや色の目安が表示されていたりします。
この数字は飾りではありません。被覆むきなら電線のサイズ、圧着なら端子や電線に合わせて使い分けるための重要な手掛かりです。
数字や刻印を読まずに感覚だけで穴を選ばない。初心者ほど、ここを丁寧に確認したほうが失敗しにくいですよ。
また、同じ「電工ペンチ」という名称でも、細線に対応している製品、0.5sq以上を対象とする製品、特定の端子に向く製品などがあります。
細いコードを扱う予定なら、購入時に細線対応の電工ペンチかどうかも見ておきたいところです。
◆エイジのワンポイントアドバイス
工具を使う前に、刻印を指でなぞるくらいの気持ちで一度確認してみてください。
電工ペンチは見た目がごちゃっとしていますが、「切断」「ストリップ」「圧着」の場所が頭に入ると、一気に分かりやすくなります。
最初の数回だけでも、手元を見ながらゆっくり使うのがおすすめです。
作業前に工具の状態を見る
電工ペンチを使う前には、対応サイズだけでなく工具そのものの状態も見ておきます。
支点が大きくガタついていないか、切断刃に欠けがないか、ストリッパー部が変形していないか、グリップが抜けかけていないか。
こうした部分に異常があると、狙った位置で刃や圧着部が合いにくくなります。
特に被覆むきや圧着は、左右の形がきちんと合うことが大事です。
長く使った工具で支点に大きな遊びが出ている場合は、「前はうまくできたのに、最近は芯線へ傷が入りやすい」といった変化につながることもあります。
作業が急にやりにくくなったら、自分の握り方だけでなく工具の状態も疑ってみてください。
ボルトカッター機能を備える製品もありますが、対応するねじ径は製品ごとに決まっています。
サイズの合わない穴へ無理にねじ込んだり、硬さの違う材料を切ろうとしたりせず、表示されている範囲で使います。
多機能工具は便利な反面、すべての機能にそれぞれ使用条件があると考えておくと迷いません。
配線コードを切る方法
配線コードの切断では、電工ペンチの切断刃を使います。
まず電源から切り離されている配線であることを確認し、切りたい位置を決めます。コードを刃の奥側へ入れ、工具が斜めにならないように保持してから握ります。

ここで大切なのは、何でも力で押し切ろうとしないことです。電工ペンチには製品ごとに対応できる材質や太さがあります。
太すぎる線材、硬い鋼線、用途外の材料を無理に切れば、刃の欠けや支点のガタにつながることもあります。
細い配線を何本も切る作業が中心なら、切断専用のニッパーのほうが扱いやすい場合もあります。
電工ペンチは配線加工を一連で行えるのが便利なところですが、切断だけを大量にするなら専用工具を使い分けるほうが楽です。
ペンチ、ラジオペンチ、ニッパーの役割が混ざっている場合は、ペンチとニッパーの違いと使い分けも参考にしてみてください。
似た形でも、得意な作業はきちんと分かれています。
被覆をきれいにむく方法
被覆むきで一番大切なのは、被覆だけを取り除き、内側の芯線を傷つけないことです。
電線サイズに合ったストリッパー部を選び、むきたい位置を挟んでから被覆を切り込み、コードの先端方向へ引いて外します。

サイズの小さすぎる穴を使うと、被覆だけでなく芯線まで刃が入りやすくなります。
逆に大きすぎる穴では、被覆に十分な切れ込みが入らず、無理に引っ張って作業しにくくなることがあります。そこで、工具の表示と電線のサイズを合わせるわけです。
電線のサイズが分からない場合に、いきなり一番小さい穴から試すのは避けたいところ。
少し大きめの位置から確認し、芯線に刃が当たらない範囲で合わせていくほうが安全です。
芯線に傷が入ったら、そのまま端子を付けて終わりにしないでください。芯線が切れかけていたり、何本も欠けていたりすると、接続部分の状態が悪くなります。
傷んだ部分を切り戻し、あらためて適切なサイズで被覆をむき直すほうが確実です。
被覆をむく長さも「いつも何mm」と一律に決めるより、取り付ける端子の構造に合わせます。
芯線を受ける部分と被覆を押さえる部分がどこに来るのかを見れば、必要な長さが分かりやすくなりますよ。
端子をかしめる基本
電工ペンチには、ギボシ端子などをかしめるための圧着部を備えた製品があります。
端子をかしめるときに大切なのは、力任せに握ることではなく、端子の種類・電線サイズ・工具の圧着部を正しく合わせることです。
サイズや形状が合っていない圧着部を使うと、端子を十分に固定できなかったり、反対につぶしすぎたりすることがあります。
そのため、工具本体の表示や端子の仕様を確認し、対応する圧着位置を使用してください。
また、端子によって適切な圧着方法は異なります。
端子の種類やダイスの選び方、圧着の詳しい手順については「圧着ペンチの使い方」で詳しく解説しています。
電工ペンチの使い方と注意点
ここからは、初心者がつまずきやすい失敗と安全面を見ていきます。
電工ペンチは便利な道具ですが、「電工」という名前だから通電中でも使える、「圧着部があるからどんな端子でも使える」といった思い込みは避けたいところです。
工具の対応範囲、端子の種類、電線サイズ、作業そのものに資格が必要か。
この4点を分けて考えると、何を確認すればよいかが見えてきます。
サイズが合わないと失敗する
電工ペンチで最も繰り返し確認したいのがサイズです。
被覆むきでは電線とストリッパー穴、圧着では電線・端子・圧着部の組み合わせを合わせます。
サイズが違うストリッパー部を使えば、芯線を傷つける可能性があります。
端子に合わない圧着部を使えば、十分に固定できなかったり、反対につぶしすぎたりすることがあります。見た目は数mmの差でも、工具ではその差が重要なんです。

特に「この穴なら入りそう」という感覚だけで選ぶのはおすすめできません。数字や色、端子の仕様を確認し、対応が取れている場所を使ってください。
| よくある使い方 | 起こりやすい問題 |
|---|---|
| 小さすぎるストリッパー穴を使う | 芯線まで傷つけることがある |
| 端子に合わない圧着部 | 適切に固定できない可能性 |
| 用途不明の穴を感覚で使う | 本来と違う加工になりやすい |
ラジオペンチで代用できるか
端子の圧着では、端子の種類やサイズに対応した圧着部を備える工具を使用するのが基本です。
ラジオペンチは小物の保持や細線の曲げなどには便利ですが、端子を所定の形状に圧着するための工具とは役割が異なります。
圧着工具の選び方や詳しい使い方は「圧着ペンチの使い方」で解説しています。
ラジオペンチとの違いを先に知っておきたい方は、ペンチとラジオペンチの違いも合わせて読むと、工具ごとの得意分野がつかみやすくなります。
◆エイジのワンポイントアドバイス
工具箱にある物で何とか代用したくなる気持ちはよく分かります。でも、端子加工は見た目だけ付けばよい作業ではありません。
「つぶせた」と「適切にかしめられた」は別物。端子に合う圧着部がないなら、そこで一度止まる判断も大切ですよ。
圧着ペンチとの違い
電工ペンチと圧着ペンチは、メーカーや商品によって名称が重なることがあります。
一般的には、切断・被覆むき・端子加工など複数の機能を備えた工具が電工ペンチ、端子の圧着を主目的とした工具が圧着ペンチとして扱われることがあります。
ただし、重要なのは名称ではなく、使用する端子と電線に工具が対応しているかどうかです。
圧着作業を中心に行う場合は、端子の種類・電線サイズ・対応ダイスを確認して圧着工具を選びましょう。
通電中の作業はしない

電工ペンチという名前を見ると、電気が流れている配線をそのまま扱える工具のように感じるかもしれません。
しかし、一般的な電工ペンチがすべて絶縁工具というわけではありません。
実際、オーム電機の電工ペンチでは「通電中は本製品での作業はしない」と明記されています。
グリップに樹脂が付いていても、それだけで活線作業に使えると判断しないでください。
配線加工は、電源から切り離した状態を基本にしてください。グリップの見た目や「電工」という名称だけで絶縁性能を判断するのは避けましょう。
電気が流れている可能性がある場所では、工具の使い方以前に作業条件の確認が必要です。
自動車やバイクの電装作業でも、ショートを防ぐための準備が欠かせません。
家庭の電気設備では、さらに資格が必要な工事があるため、「電源を切ったから自分で触ってよい」と単純には考えられない点にも注意してください。
DIYで資格が必要な作業
電工ペンチの使い方を覚えることと、住宅の電気配線工事を自分で行えることは別の話です。
住宅や店舗などの電気設備には、電気工事士の資格が必要になる工事があります。
経済産業省は、電気工事に不完全な施工があると感電や火災などの事故につながる危険があるため、電気工事士の資格制度を設けています。
家庭のコンセント、スイッチ、屋内配線などに関わる作業では、工具を持っているだけで作業範囲が広がるわけではありません。(出典:経済産業省「電気工事士」)
一方で、コードやキャブタイヤケーブルを接続器へつなぐなど、資格が不要とされる軽微な工事もあります。
ただ、実際の作業がどの区分に当たるかは内容によって変わります。
この記事では、電工ペンチそのものの基本操作を中心に考え、住宅の固定配線を自分で工事する前提では説明していません。
DIYでは「工具が使える=その工事をしてよい」ではない。この線引きを覚えておくと、安全面でも迷いにくくなります。
電工ペンチの選び方
これから電工ペンチを買うなら、機能の多さだけで選ぶより、何の配線を触る予定かを先に決めるのがおすすめです。
自動車やバイクの端子加工が中心なのか、電子工作の細線を扱うのか、一般的なDIYでたまに配線加工をするのかで、必要な対応範囲は変わります。
見るポイントは、対応する電線サイズ、圧着できる端子の種類、ストリッパーの範囲、切断機能、握りやすさです。
手元の端子が決まっているなら、その端子に対応する工具を選ぶのが先。工具を買ってから合う端子を探すより分かりやすいですよ。
また、工具を初めて揃えている段階なら、電工ペンチだけでなく、ニッパーやラジオペンチ、ドライバーなども作業に応じて役割を分けたほうが使いやすくなります。基
本工具全体の優先順位は、DIY初心者が最初に揃える工具でまとめています。
機能が多い製品ほど優れているとは限りません。自分が使わない圧着部やボルトカッターが増えても、肝心の端子に対応していなければ出番は少なくなります。
まず「何をつなぐか」から選ぶのが分かりやすいです。
用途別の選び方早見表
| こんな人 | 選び方の目安 | 候補 |
|---|---|---|
| 初めて電工ペンチを買う | 切断・被覆むき・端子加工をまとめて行えるタイプ | エーモン 電工ペンチ3500など |
| 車・バイクの配線DIYが中心 | 使用する端子と電線サイズへの対応を優先 | 電工ペンチ+対応端子 |
| 端子加工を頻繁に行う | 使用する端子に合う専用工具も検討 | 専用圧着工具 |
| 被覆むきの回数が多い | ストリップ作業に特化した工具を検討 | ワイヤーストリッパー |
電工ペンチのよくある質問
Q1. 電工ペンチは何に使う工具ですか?
A. 一般的には、配線コードの切断、被覆むき、端子のかしめ・圧着などに使います。製品によってはボルトカッターや複数種類の端子用圧着部も付いています。
どこを使うかは工具本体の表示を確認してください。
Q2. 被覆をむくと芯線まで切れるのはなぜですか?
A. 電線に対して小さすぎるストリッパー位置を使っている可能性があります。
被覆だけでなく芯線まで刃が届くと傷が入ります。電線サイズと工具の表示を合わせ、分からない場合は大きめの位置から確認すると失敗を減らせます。
Q3. 電工ペンチならどんな端子でも圧着できますか?
A. できません。端子には種類やサイズがあり、工具にも対応範囲があります。
端子の種類、電線サイズ、工具の圧着部が合っているかを確認してください。名称が電工ペンチでも、対応していない端子があります。
Q4. 電工ペンチは通電中の配線にも使えますか?
A. 一般的な電工ペンチを、名称だけで活線作業用だと判断してはいけません。
通電中の使用を禁止している製品もあります。配線加工では電源から切り離した状態を基本にし、住宅の電気設備では資格が必要な工事があることも忘れないでください。
電工ペンチの使い方まとめ
電工ペンチは、配線コードを切る、被覆をむく、端子をかしめるといった複数の作業を1本で行える便利な工具です。
ただし、多機能だからこそ、作業に合った部分を正しく使い分けることが重要です。
切断では切断部、被覆むきでは電線サイズに合ったストリッパー部、端子加工では端子と電線に対応した圧着部を使用します。
「作業内容を確認する → 使う部分を選ぶ → サイズを合わせる → 作業後の状態を確認する」。
この順番を基本にすると、電工ペンチを扱いやすくなります。

端子の種類やダイスの選び方、詳しい圧着方法については「圧着ペンチの使い方」で解説しています。
また、「電工」という名前でもすべての製品が通電中の作業に対応しているわけではありません。
工具の仕様を確認し、住宅の電気設備では資格が必要な工事があることにも注意してください。
この流れを身につければ、電工ペンチの扱いはかなり分かりやすくなります。
あなたが次に電工ペンチを手にするとき、最初に見るのは握り方ではなく、工具に刻まれた表示かもしれません。
そこから作業に合う場所を選べれば、電工ペンチは「穴がたくさんある難しいペンチ」ではなく、役割がはっきりした使いやすい工具に見えてきますよ。